『酒の詩集』は、昭和48年の発行なので、たぶん「酒」「詩」で検索して古本販売サイトで買ったのだと思います。
「楽しむ酒」、「悲しむ酒」などの12章に分類されていまして、この「薄荷酒」はなぜか「ぐち酒」。
「思ひ出」の頁に
さかづきひとつうつして、
ちらちらと、こまごまと、
薄荷酒を注げば、
緑はゆれて、かげのかげ、仄かなわが詩に啜りなく、
そなたのこころ、薄荷ざけ。
思ふ子の額に
さかづきそつと透かして、
ほれぼれと、ちらちらと、
薄荷酒をのめば、
緑は沁みて、ゆめのゆめ、黒いその眸に啜り泣く、
わたしのこころ、薄荷ざけ。
不思議ですね。「ペパーミントリキュール」というと、すっきり爽やかな感じなのですが、「薄荷酒」というと、切なく儚い感じ。文字の威力。
まあなんですかね。なんでもかんでも横文字にしちゃ、いかんのですよ。
参考にした本:『酒の詩集』(光文社)