秀丸の酒とゲームとロボットの日々

酒とゲームとロボットが大好きです

酒の日々・読むお酒 BARレモンハート6巻:双葉社より

 こないだ本屋に行ったら、宮城谷昌光さんの『公孫龍』(青龍編)を見つけたのですよ。これ面白い!ていうか、なんでこんなの書けるのだ?すごい!

 なんていうか、宮城谷昌光さんの描く歴史って、ぺらっぺらな平面的ではなく、細部まで作りこまれた立体的なのですよ。だから、歴史の表裏ではなく、歴史の正面と右斜め45度、みたいな。

 あー、早く続きを読みたいなあ。

 

 さて、漫画『BARレモンハート』。お酒漫画は多々あれど、その多くはお酒と一緒に食べる食べ物が中心。お酒そのものを主題にした漫画は、あまりないような気がします。

 

「しかしまあなんだね
 この酒というやつは……ジワジワと利いてくる 毒のようなもんだな」

「ならなんで飲むんですか?」

「オレは気が長いのさ」

 

 漫画『BARレモンハート』は、マスターとメガネさんと松ちゃん、がメインの登場人物。自分のお気に入りの席を一見さんに取られて、ちょっと不機嫌なメガネさんが発した言葉。

 お酒は毒。だからこそ魅力的。

 

 超余談ですが、最近論語が読みたくなって、買いました。いえね、我十有五にして学に志すの、五十にしては何だったのかと思いまして。

 あらまびっくり、五十にして天命を知るだったんだ。七十くらいかと思ってました。

 いくつになっても前を向く。孔丘さんって、すごいなあ。  

 

 

参考にした本:『BARレモンハート』6巻(双葉社

酒の日々・読むお酒 陶淵明『飮酒 其十四』

 最近やっと、ダビスタでBボタンを押すと、レースの途中が省略できることを知りました。  

 

 まあそれはおいといて、今回は陶淵明さんの詩。陶淵明さんが過ごしてきた時代背景を思うと、より深く感じられる。(私の「いやーん、くー」は気にしないでー。)

 

故人賞我趣  故人 我が趣を賞し

挈壺相與至  壺を挈げて相與に至る。

班荊坐松下  荊を班きて松下に坐し

數斟已復醉  數斟 已に復醉ふ。

父老雜亂言  父老 雜亂して言ひ

觴酌失行次  觴酌 行次を失ふ。

不覺知有我  覺え不 我有るを知るを

安知物爲貴  安んぞ物を貴しと爲すを知らんや。

悠悠迷留所  悠悠 留まる所に迷ふ

酒中有深味  酒中 深味有り。

 

古い知り合いが「お前いい感じじゃーん」と

酒壺をひっさげてやってきたよ。

草を敷いて松の下に座り

数杯飲んだら酔いの往復。

おっちゃん暴言吐きまくり

おい、次は俺の番じゃない?

あれ?ここは誰?私はどこ?

財産ってさ、本当に大事?

Hey You! 僕はどこへ行こう。

お酒は知れば知るほど素晴らしい。

 

超余談ですが、私が好きな中国のことば。

(前にも書いたかも知れないけれど、気にしない。)

「陰徳有れば必ず陽報有り」

 昔、楚の蔿艾猟さんが幼いころ、両頭の蛇を見てしまって、両頭の蛇を見た者は死ぬときいたことがあるものだから、とっさにその蛇を殺して埋めて、泣きながら家に帰ったところ、お母さんが「人に知られない善行をおこなったものに、天はそれに報いて福をさずけてくれるのです。死にはしません。安心なさい」と言ったそうな。

 

死にはしません。安心なさい。

 

参考にした本:『中華飲酒選』(筑摩書房

       『春秋名臣列伝』(文春文庫)

酒の日々・読むお酒 ロバート・バーンズ『ウィリィがこさえた 樽酒、やんさ』

 とんとご無沙汰しておりました。寒いのと、SWITCHとダビスタ買ったのとで、ストーブの前から離れられず。

 ダビスタは、一見すると同じことの繰り返しなのですが、自分の馬がレースで勝った時の爽快感が、たまらないのです。 

 

 さて、スコットランドの国民的詩人、ロバート・バーンズさん。お酒の詩もたくさん残しています。

 たまたま同じ詩が二つの本に載っていたので、並べてみました。

 

ウィリィがこさえた 樽酒、やんさ、
 ロブとアランが 飲みにきた、
長夜いとわぬ 三人おとこ、
 こんな陽気な つれはない。

  まんだ酔わねえ、酔ってはいねえ、
   ほんのちょっぴし さくらいろ
  鶏がうたおが お日さまでよが、
   さあさ飲め、飲め 手製酒、

そろうた三人、きさくな若衆、
 ほんにきさくな おらがつれ、
うかれ、うかれて かさねた幾夜、
 まだも幾夜か かさねたい!

あれは三日月、角見りゃわかる。
たかい空から 顔だして、
かえれ、かえれと てまねきゃすれど、
 まあまちょっくら 待たしゃんせ!

いっちおさきに 座を立つやつは、
 間抜、腰抜、卑怯者!
いっちあとまで 倒れぬやつは、
 おらがなかまの 王様じゃ!
 (ロバート・バーンズ『ウィリィがこさえた 樽酒、やんさ』伊津野直訳)

ウヰリイ五升の酒釀し、
 ロブとアランが飮みに來た。
夜長の夜に之より陽氣な
 三人男はありはせぬ。

醉ひはしないよ、醉はしない。
 ほんの涙が滲むだけ
鷄が鳴かうが、夜が明けようが、
 神輿を据ゑて飮み續く。

此處に會つたる三人男、
 三人男よ、俺等は。
幾夜か樂しく酒を飮み、
 之から先も飮まうぢやないか!

角を生やした三日月は、
 中空高く光ってる。
そして歸れと誘ふが、
 ちよつと待つたり、お月樣。

最初に立つて行く奴は、
 間拔け弱蟲卑怯者!
最初に醉つて倒れる奴が、
 三人の中の王樣よ!

 (ロバート・バーンズ『ウヰリイ五升の酒釀し』中村爲治訳)

 

 同じ詩でも、訳者によって印象が違ってくるのが、面白いです。

  

 

参考にした本:『酒の詩集』(光文社)

       『バーンズ詩集』(岩波文庫

酒の日々・酒の旅人 「2008年マジンガーZの日々」

 宇宙刑事ギャバンメモリアルを観ました。昔の特撮ってすごいなあ。至近距離で爆発おきるし、変身前でも華麗なアクションで敵倒すし。

 俳優さんが本気でヒーローするから、観てるほうも本気でわくわくするのさ。

 

 昔の旅行の写真そのさん。

  

 海外旅行3度目。

 たまたま何かのTV番組で、「スペインのタラゴナという町にマジンガーZの像がある!」というのを観たので、直接観に行くことにしたのですよ。

 さすがに自分でもろもろ手配するのは限界だったので、今回から手配は旅行会社に任せることにしました。

 

2008年 7月16日~7月20日

 

 成田からぴょーんと、まずはバルセロナへ。ホテルまでさ迷い歩いたのと、ホテルの人がかっこよかったのを覚えているなあ。

 翌日、旅行会社が手配してくれた車で、タラゴナまで。目指すマジンガーZの像は、住宅街の片隅に、雄々しく立っておりましたよ。

 

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世界の平和を守る

 

 タラゴナの街に戻り、街を観光します。実はせっかくスペインに行くのだからと、夜行列車でヘレス・デ・フロンティーラに行ってシェリー飲もうかと思って、夜までぶらぶらしたのですよ。

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月がきれいだったなあ

 

 夜行列車に乗って、ヘレス・デ・フロンティーラまで移動です。途中食堂車で食べたオムレツが、おいしかった。


 翌朝ヘレス・デ・フロンティーラに着いて、シェリーを造っている「サンデマン」と「ゴンザレス・ビアス」を見学に行きました。

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サンデマン

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ゴンザレス・ビアス

 

 いやーとっても楽しかったのですが、なにせ気温が40度くらいあって、見学後ぶっ倒れてお巡りさんに心配されましたよー。(後で何とかタクシーでホテルまで帰りましたよー。)
 

  まあなんというか、旅は気合ですなあ。 気合があれば、何とかなる!

 

 超余談ですが、最近の我が国の君主の答弁を見ていると、「裸の王様」を思い出します。

 商の湯王さまや、周の文王さまを見習ってほしいなあ。

 まずは聞いてよ。

 

 

 

 






 

酒の日々・読むお酒 李白『將進酒』

 久しぶりに『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』を観ましたよ。すっごいわくわくしました。子供に還って、大人のヒーローにメロメロだ。

 

 今回は、李白さんの『將進酒』に挑戦だ。もとは、漢代の楽府の曲名なのだそうな。

  

君不見黄河之水天上來  君見不や黄河之水 天上より來る

奔流到海不復回  奔流して海に到り復回ら不。

君不見高堂明鏡悲白髪  君見不や高堂の明鏡 白髪を悲しむ

朝如靑絲暮成雪  朝には靑絲の如く暮には雪と成る。

人生得意須盡歡  人生 意を得て須らく歡を盡すべし

莫使金樽空對月  金樽をして空しく月に對せしむる莫れ。

天生我材必有用  天 我が材を生ずる必ず用ゐる有り

千金散盡還復來  千金散じ盡して還復來る。

烹羊宰牛且爲樂  羊を烹牛を宰りて且く樂みを爲さん

會須一飮三百杯  會に須らく一飮三百杯なるべし。

岑夫子 丹丘生  岑夫子 丹丘生

進酒君莫停    酒を進む 君停むる莫れ。

與君歌一曲    君が與に一曲を歌はん

請君爲我傾耳聽  請ふ君 我が爲に耳を傾けて聽け。

鐘鼓饌玉不足貴  鐘鼓 饌玉 貴ぶに足ら不

但願長醉不用醒  但だ願はくは長醉して ―醒むるを用ゐ不るを。

古來聖賢皆寂寞  古來聖賢は皆寂寞たり

惟有飮者留其名  惟だ飮者の其の名を留むる有り。

陳王昔時宴平樂  陳王 昔時 平樂に宴し

斗酒十千恣讙謔  斗酒十千 讙謔を恣にす。

主人何爲言少錢  主人何爲ぞ錢少しと言はんや

徑須沽取對君酌  徑に須らく沽取し君に對して酌むべし。

五花馬 千金裘   五花の馬 千金の裘、

呼兒將出換美酒  兒を呼び將出して美酒に換へ

與爾同銷萬古愁  爾與同じく銷さん萬古の愁。

 

君は見ただろ?黄河の水は天上から来て

奔流して海に至りもう返ってこない。

君は知ってるだろ?高堂の鏡に映る白髪を悲しんでるけどさ

朝には黒かったのが雪のようになるのはあっという間。

人生は気の向くまま楽しもう。

金樽を空しく月に照らさせてはもったいない。

天がわが才を生んだならば、必ず用いてくれるところはあるさ。

たくさんお金使ったって、また回ってくるさ。

牛を割いて羊を煮て、しばらく楽しもう。

すべからく一気に三百杯飲むべきだ。

岑先生、丹丘君

お酒を召し上がれ、杯を停めないでね。

君に捧げるこの一曲。

聞いてくれなかったら、寂しいなあ。

きれいな音もきれいなごちそうも嬉しくない。

ただ願うのはいつまでも酔って

 ―醒めたくない。

昔から、聖者も賢者も死んでしまえば後は何もない。

ただ酒飲みだけが名を留める。

昔陳王は、平樂觀に宴を張り

一斗一萬錢の美酒を酌んで歓楽を欲しいまま。

おいらが何としてお金が足りないと弱音を吐くもんか。

すぐお酒を買ってくるから、ちょとだけ待っててよ。

五花の良馬、千金の皮衣、

子供をお使いに行かせるからさ、

君と萬古の愁にさよならを。

 

 うーむ、自分なりの「いやーん、くー」(意訳)をしたいのですが、今回は靑木正兒大先生の訳が素晴らしすぎて、どうしてもそれに引っ張られてしまいます。

 

  超余談ですが、稀代の名宰相、管仲さんは、こんなことばを残しているそうな。

「一年の計は穀を樹えるに如かず

 十年の計は木を樹えるに如かず

 終身の計は人を樹えるに如かず」

 

 我が国の国会に、人は樹わっているか?

 

 

参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房

       『歴史の活力』(文春文庫)

酒の日々・読むお酒 北原白秋『薄荷酒』

 『酒の詩集』は、昭和48年の発行なので、たぶん「酒」「詩」で検索して古本販売サイトで買ったのだと思います

 「楽しむ酒」、「悲しむ酒」などの12章に分類されていまして、この「薄荷酒」はなぜか「ぐち酒」。

 

「思ひ出」の頁に

さかづきひとつうつして、

ちらちらと、こまごまと、

薄荷酒を注げば、

緑はゆれて、かげのかげ、仄かなわが詩に啜りなく、

そなたのこころ、薄荷ざけ。

 

思ふ子の額に

さかづきそつと透かして、

ほれぼれと、ちらちらと、

薄荷酒をのめば、

緑は沁みて、ゆめのゆめ、黒いその眸に啜り泣く、

わたしのこころ、薄荷ざけ。

 

 不思議ですね。「ペパーミントリキュール」というと、すっきり爽やかな感じなのですが、「薄荷酒」というと、切なく儚い感じ。文字の威力。

 

 まあなんですかね。なんでもかんでも横文字にしちゃ、いかんのですよ。

  

参考にした本:『酒の詩集』(光文社)

酒の日々・酒の旅人 「2007年スコットランドの日々」

 昔の旅行の写真そのに。

  

 海外旅行2度目。

 スコットランドアイラ島に、ラフロイグという蒸留所があるのですよ。「フレンド オブ ラフロイグ」というクラブがありまして、ラフロイグを買って何かを読み込んで蒸留所に行くと、会員になれて30cm四方のピート畑を貸してくれます。(だいぶ昔のことなのでうろ覚え。)

 よっしゃ会員になりに行こうと、スコットランド行きを決めたのでした。

 

2007年 4月29日~5月4日

 

 どうにかこうにかグラスゴーに着いたのは、もう夜更け。今回の宿は自分で予約したので、向こうに通じているかわからずどっきどき。何とか泊まれてほっとしました。

 アイラ島に行く前に、グラスゴー観光。

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桜がきれいだったなあ

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たぶんグラスゴー大聖堂

 

 で、アイラ島に飛んでボウモアのホテルで1泊。散歩してたら、すんごいかわいい三毛猫がいたのを覚えていますよ。

 で、次の日、ボウモアのホテルから無謀にも歩いてラフロイグ蒸留所に行こうとした私。途中で親切な人たちに乗せてもらいました。「(たぶん)どこへ行くんだ?」「ラフロイグまで」「(たぶん)俺たちはラフロイグの人間だ」たぶんこんな感じ。

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海がきれいだったなあ

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むぎ

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生命の神秘

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かべ



 アイラ島からグラスゴーに戻り、頑張ってエディンバラまで行きましたよ。駅員さんに地図見せて、「ここに行きたいんですー」って言ったら、切符売ってくれました。

 

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たぶんエディンバラ城

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やっほー

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うし

 

 まあなんというか、旅は気合ですなあ。