秀丸の酒とゲームとロボットの日々

酒とゲームとロボットが大好きです

酒の日々・読むお酒 ロバート・バーンズ『ウィリィがこさえた 樽酒、やんさ』

 とんとご無沙汰しておりました。寒いのと、SWITCHとダビスタ買ったのとで、ストーブの前から離れられず。

 ダビスタは、一見すると同じことの繰り返しなのですが、自分の馬がレースで勝った時の爽快感が、たまらないのです。 

 

 さて、スコットランドの国民的詩人、ロバート・バーンズさん。お酒の詩もたくさん残しています。

 たまたま同じ詩が二つの本に載っていたので、並べてみました。

 

ウィリィがこさえた 樽酒、やんさ、
 ロブとアランが 飲みにきた、
長夜いとわぬ 三人おとこ、
 こんな陽気な つれはない。

  まんだ酔わねえ、酔ってはいねえ、
   ほんのちょっぴし さくらいろ
  鶏がうたおが お日さまでよが、
   さあさ飲め、飲め 手製酒、

そろうた三人、きさくな若衆、
 ほんにきさくな おらがつれ、
うかれ、うかれて かさねた幾夜、
 まだも幾夜か かさねたい!

あれは三日月、角見りゃわかる。
たかい空から 顔だして、
かえれ、かえれと てまねきゃすれど、
 まあまちょっくら 待たしゃんせ!

いっちおさきに 座を立つやつは、
 間抜、腰抜、卑怯者!
いっちあとまで 倒れぬやつは、
 おらがなかまの 王様じゃ!
 (ロバート・バーンズ『ウィリィがこさえた 樽酒、やんさ』伊津野直訳)

ウヰリイ五升の酒釀し、
 ロブとアランが飮みに來た。
夜長の夜に之より陽氣な
 三人男はありはせぬ。

醉ひはしないよ、醉はしない。
 ほんの涙が滲むだけ
鷄が鳴かうが、夜が明けようが、
 神輿を据ゑて飮み續く。

此處に會つたる三人男、
 三人男よ、俺等は。
幾夜か樂しく酒を飮み、
 之から先も飮まうぢやないか!

角を生やした三日月は、
 中空高く光ってる。
そして歸れと誘ふが、
 ちよつと待つたり、お月樣。

最初に立つて行く奴は、
 間拔け弱蟲卑怯者!
最初に醉つて倒れる奴が、
 三人の中の王樣よ!

 (ロバート・バーンズ『ウヰリイ五升の酒釀し』中村爲治訳)

 

 同じ詩でも、訳者によって印象が違ってくるのが、面白いです。

  

 

参考にした本:『酒の詩集』(光文社)

       『バーンズ詩集』(岩波文庫