秀丸の酒とゲームとロボットの日々

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酒の日々・読むお酒 ジョン・チーヴァー『酒礼賛の辞』

 超お久しぶりでございます。なぜここまでご無沙汰だったかというと、3月にパソコンが壊れて、4月に仕事が変わって、心に余裕ができるまで、ここまでかかったのです。夜空を見て、星がきれいだなと思えるまで。  

 

 とりあえず、リハビリ的にこの一文。

 

 恋心はともかく、酒あればこそ空は青く、綾なす星は語りかけ、一枚の落葉でさえも美しく天下の秋を知らせてくれるのだ。真実の愛も刎頸の交わりも酒をくみ交してこそ、その味もいや増す。ふつう酒を飲む時刻は灯ともし頃、光から原初の神秘と不安をひめた夜の闇へと変化する時刻でもある。その変わり目をつなぐものが友情であり、恋であり、酒なのだ。たくみに酒を飲むことによって、人間同士はいうまでもなく、バッカスをはじめ諸々の神との交歓もかなえられるというものである。

 

 ジョン・チーヴァーは、アメリカの小説家なのだそうですよ。まだまだお酒は肩身狭いですが、あまりお酒を遠ざけると、神様の声が聞こえなくなってしまうかもですね、チーヴァーさん。

 ちなみに「辞」を白川静博士の『字統』で見てみると、神に対して弁疏し、辭説することをいうっぽいです。

 

 超余談ですが、政治はやさしささえあればできるのですよ。どの作品だったか忘れましたが、宮城谷昌光さんの小説に書いてありました。

 政治家の皆さん、やさしさを忘れないでください。忘れそうになったら、星を見てください。

 

 

参考にした本:『酒の本棚・酒の寓話』(サントリー博物館文庫)