秀丸の酒とゲームとロボットの日々

酒とゲームとロボットが大好きです

酒の日々・読むお酒 李白『月下独酌』其一

 いやはや、仕事始めから約1週間が経ちましたが、年末年始飲んじゃ寝飲んじゃ寝してたので、頭の回転がいまだに反回転。  

 

 まあそれはおいといて、今回は大好きな李白さんの詩。

 

花間一壺酒  花間 一壺の酒

獨酌無相親  獨酌 相親む無し。

擧盃邀明月  盃を擧げて明月を邀へ

對影成三人  影に對して三人と成る。

月既不解飮  月は既に飮を解せ不

暫伴月將影  暫く月將影とを伴ひ

行樂須及春  行樂須らく春に及ぶべし。

我歌月徘徊  我歌へば月は徘徊

我舞影凌亂  我舞へば影は凌亂。

醒時同交歡  醒時じく交歡し

醉後各分散  醉後各々分散す。

永結無情遊  永く無情の遊を結び

相期雲漢  相期す雲漢かなり。

 

花の下、一壺の酒。

 一人ぼっちで酒を酌む。

でもね、盃を掲げたら

月と影とが来てくれた。

月はもとから酒を飲まない。

影は僕についてくるだけ。

しばらく月と影とを伴い

春を余さず、ピクニック。

僕が歌えば、月はいざよう。

僕が踊れば、影はあわあわ。

ほろ酔い気分で一緒に遊んで

酔っ払ったら、さようなら。

月に心はないけれど

天の河で、また会おうよ。

 

 一人ぼっちだと思ったら、月を見ればいいのですよ。

 お酒に映った月を。

 

参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房

酒の日々・読むお酒 権徳輿『独酌』

 最近、ひまぶっこいているので、宮城谷昌光さんの小説ばかり読んでます。

 『呉漢』。後漢王朝成立の立役者の一人のお話。いいことば満載でして、今日はこのことば。

 「つまり話半分ということは、きいたという事実を一とすれば、その半分に縮小しておくということではないのか。そうすれば半分が空く。」

 何でも「お前が言ったからじゃーん」と他人の言動にどっぷりつかるのは楽なのですけれど、勇気をもって空いた半分に自分の信念を入れねばならぬのですよ。

 

 根拠はないけれど、あなたに勇気をもたらすかもしれないこの漢詩。 

 

独酌復独酌  独酌 復独酌

満盞流霞色  満盞 流霞の色

身外皆虚名  身外 皆虚名

酒中有全徳  酒中 全徳有り

風清与月朗  風清と月朗

対此情何極  此に対す 情何ぞ極まらん

 

僕は一人でとことん飲んでやるさ。

あ、もう一人、盃の中に仙人がいた。

僕の外面はなんちゃって。

盃の中に本当の僕がいる。

月を観ながら浴びる風が気持ちいい。

そしてお酒を飲むのは、もうさいっこー。

 

まあ、この意訳も、話半分にきいといてくださいー。

 

参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房

 

酒の日々・読むお酒 曹操『短歌行』

 曹操さん。昔はあんまりいいイメージありませんでした。でも、宮城谷昌光さんの『三国志』を読んで、人は見かけで判断してはいけないのだー、と悟りました。

 ちなみに言わずもがなですが、曹操さんの字は孟徳。

 

対酒当歌 人生幾何  酒に対しては当に歌ふべし。人生は幾何ぞ。

譬如朝露 去日苦多  譬へば朝露の如し。去日苦だ多し。

概当以慷 幽思忘難  概して当に慷すべし。幽思忘れ難し。

何以解憂 惟有杜康  何を以って憂を解かん。惟杜康有るのみ。

子衿 我心  靑たる子が衿 悠たる我が心、

但爲君故 沈吟至今  但だの爲の故に 沈吟して今に至る。

鹿鳴 食野之苹  呦として鹿鳴き 野の食う。

我有嘉賓 鼓瑟吹笙  我に嘉賓り 瑟を鼓し笙を吹く。

明明如月 何時可掇  明明として月の如し 何れの時か掇る可けん。

憂從中來 不可斷絶  憂は中より來って 斷絶す可からず。

越陌席阡 枉用相存  陌を越え阡を席り 枉げて用て相存せば

契闊談讌 心念舊恩  契闊談讌 心に舊恩を念う。

月明星稀 烏鵲南飛  月明かに星稀に。 烏鵲南に飛ぶ。

繞樹三匝 何枝可依  樹を繞ること三匝 何れの枝か依る可き。

山不厭高 海不厭深  山は高きを厭わず 海は深きを厭わず。

周公吐哺 天下歸心  周公哺を吐きて 天下心を歸す。

 

お酒に対しては歌おうよ、歌おうよ。

人生どんなもんだい。

人生を例えれば、朝露のよう。儚いよ、怖いよ。

この気持ち、何で慰めればいいの?

そうか、お酒は心の友だね。

若い時は、世界中が敵に見えるけど、

大丈夫、僕がいるよ。

ゆうゆうと鹿が鳴いて、友を集め、草を食べる。

僕にも嬉しいお客様がいて、管弦楽でおもてなし。

僕はいつ、月をつかめるのだろう。

ごめんね、明るい話ができなくて。

せっかくあちこちから来てくれたんだから、

昔の楽しかった話でもしようよ。

わあ、きれいな月。そして宵の明星。

かささぎが飛んだね。でも、どこに落ち着いたらいいか迷ってる。

山も海も、僕たちをどんとこいと待っている。

僕も周公のように、皆を受け入れたいなあ。

 

 いやはや、短歌行といいつつ、実はこんなに長かったんだなあ。

 『 月明星稀』私はこの部分が好き。きれいな情景ですよね。

 最後の「周公」は、周の創成期を支えた周公旦のことでしょうか。もしかしたら、周公旦のように自分も漢王朝を支えたいと思いつつ、朽ちていく王朝をどうすることもできない、自分を憂いていたのかもしれません。

 自分を責めて、そして最後に許してくれたのが、杜康だったのかなあ。

 

 例によって例の如く、意訳は私の「いやーん、くー」なので、鵜呑みにしないでくださいー。

 

  

参考にした本:『壺中天醉歩』(大修館書店)

 

酒の日々・読むお酒 李白『山中幽人対酌』

 職場のあっせんで買った、天塩町のべこちちファクトリーのさけるチーズをつまみに飲んでいるのですが、いやはやこりゃうまいですよ。特にさんしょう。

 それはおいといて、今回は冬なのに春っぽい漢詩

 

両人対酌山花開  両人対酌 山花開く

一盃一盃復一盃  一盃一盃 復た一盃。

我醉欲眠卿且去  我醉ふて眠らんと欲す卿且く去れ

明朝有意抱琴来  明朝意有らば琴を抱いて来れ。

 

山花のそばに、きみとぼくとお酒。

一杯一杯、また一杯。

あー眠くなっちゃったごめん今日はここまで。

明日気が向いたらカラオケしようよ。

 

李白さんの詩は、易しくて優しいですよね。

 

参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房

 

ロボットの日々 序 ロボットの基地

 ブログのタイトルが「酒とゲームとロボットの日々」の割には、こちらでは今までお酒の話しかしていませんでしたなあ。

 なので、今回はロボット、というかロボットアニメについて、ちょっとだけ。

 

 そもそもそ、私がロボットアニメにはまったのは、ゲームの(たぶん)「第2次スーパーロボット大戦」。親戚の家でゲーム画面を見せてもらって、血沸き肉踊りました。

 実は、子供のころリアルタイムでロボットアニメ観たことなかったのですよ。当時自分にはチャンネル権なかったからなあ。

 アニメロボット観たさに、秋葉原巡ってアニメ集めまくりましたよー。70年代から80年代限定で。

 

 ロボットアニメの何がいいってねえ、強いんだ!大きいんだ!そして、僕らのロボットなんだ!

 さらに、主題歌は歌えば燃え上がるし、必殺技は叫べばなんかすっきりする!

 さらにさらに、ロボットを動かす未知なるエネルギー。光子力にゲッター線に、超電磁!これだけあれば、なんでもできる!

 ま、ロボットアニメに、限界はないのだ!

 

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ロボット基地の図

 とりあえずの手始めとして、昔自分のHP用に作ったロボットの基地の地図を載せてみました。私が観たアニメが偏っているためか、基地の場所も偏っています。 

 なお、ここに載せた地図は私が推定で作ったもなので、現実と違っても怨まないでくださいー。

酒の日々・読むお酒 王瀚『涼州詩』

 そういえば、いつの間にか今年のボジョレ・ヌーボーの解禁日が過ぎてましたなあ。ここ何年か飲んでませんけれども。

 葡萄酒つながりで思い出した、この漢詩。 

 

葡萄美酒夜光杯  葡萄の美酒 夜光の杯

欲飲琵琶馬上催  飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す。

醉沙臥場君莫笑  醉うて沙場に臥すとも君笑う莫かれ。

古来征戦幾人回  古来 征戦 幾人か回る。

 

 葡萄の旨酒が、夜光の杯で輝く。

 さあ飲もう、琵琶を弾いてあげるからさ。

 酔って馬から落ちても、笑わないでよ。

 昔っから戦争で、何人俺と同じように倒れたか分からないんだからさ。

 

 漢詩を書いた王瀚さんは、唐の詩人さん。涼州詩とは、涼州曲と称する楽曲の詩なのだそうな。「夜光の杯」は、現実的には西域から輸入された玻璃(ガラス)の杯なのですが、周の穆王の時、西域から夜光常満杯という、夜これを庭に出すと中に甘美な液が溜まるという故事があったそうで、こっちの方がロマンチック。

 砂漠、葡萄酒、夜光の杯。その情景を思い浮かべるだけでうっとりだ。

 ちなみに、漢詩の後の訳は、私が酔った勢いで書いたものなので、あまり参考にしないください。

 

  参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房) 

酒の日々・酒の旅人 「宮水まつりに行ってみた日々」 そのさん

 「にしのみや宮水まつり」見学記。そのさん。

 

10月6日

 本日の旅程

 西宮市のホテル-白鹿記念酒造博物館・今津灯台見学→-電車・バス→伊丹空港-ANA983便→新千歳空港-自家用車→自宅

 

 起きてホテルをチェックアウトして、阪神西宮駅のコインロッカーに荷物を預けます。今日も「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」は開催されているのですが、帰りに車を運転するので、残念ながらお酒飲めないのだ。なので、空港に向かうまでの間、西宮市内を見学するのです。

 まずは、白鹿記念酒造博物館へ向かいます。

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にしのみや酒蔵案内銅板

 道中見つけた、宮水と酒文化の道に点在する案内板。酒文化が溶け込んでいる街って、いいなあ。

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白鹿記念酒造博物館

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たる!たる!

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昔のお酒造りを学べます。

 

 次は、今津灯台へ。ずっと歩いて行くのは大変なので、無料ループバスで「大関甘辛の関寿庵」まで行って、そこから歩いていったのですが、それでもけっこう歩いたなあ。そしてスマホどおりに歩いているはずなのに、何故か道を間違える。

 そうか!きっと私は、「みちまちガエル」というカエルの生まれかわりなのだ!

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今津灯台

 文化7年(1810年)に建てられた、日本最古の木造の燈篭型灯台なのだそうです。お酒を運ぶ樽廻船の航海の無事を図るため、長部長兵衛という人が私財を投じて建てたのだそうな。

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通船安全

 海を見ながらしばし休憩の後、西宮駅まで戻って電車とバスを乗り継いで伊丹空港へ。 それからぴょーんと新千歳空港へ飛んで、車で家に帰りましたとさ。

 

 このように、お酒は文化を生み、文化はお酒を生みます。

 だから、お酒を悪者にしないでください。悪い文化が生まれてしまいますから。

 

おわり。