秀丸の酒とゲームとロボットの日々

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酒の日々・読むお酒 王瀚『涼州詩』

 そういえば、いつの間にか今年のボジョレ・ヌーボーの解禁日が過ぎてましたなあ。ここ何年か飲んでませんけれども。

 葡萄酒つながりで思い出した、この漢詩。 

 

葡萄美酒夜光杯  葡萄の美酒 夜光の杯

欲飲琵琶馬上催  飲まんと欲すれば 琵琶 馬上に催す。

醉沙臥場君莫笑  醉うて沙場に臥すとも君笑う莫かれ。

古来征戦幾人回  古来 征戦 幾人か回る。

 

 葡萄の旨酒が、夜光の杯で輝く。

 さあ飲もう、琵琶を弾いてあげるからさ。

 酔って馬から落ちても、笑わないでよ。

 昔っから戦争で、何人俺と同じように倒れたか分からないんだからさ。

 

 漢詩を書いた王瀚さんは、唐の詩人さん。涼州詩とは、涼州曲と称する楽曲の詩なのだそうな。「夜光の杯」は、現実的には西域から輸入された玻璃(ガラス)の杯なのですが、周の穆王の時、西域から夜光常満杯という、夜これを庭に出すと中に甘美な液が溜まるという故事があったそうで、こっちの方がロマンチック。

 砂漠、葡萄酒、夜光の杯。その情景を思い浮かべるだけでうっとりだ。

 ちなみに、漢詩の後の訳は、私が酔った勢いで書いたものなので、あまり参考にしないください。

 

  参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房)