秀丸の酒とゲームとロボットの日々

酒とゲームとロボットが大好きです

酒の日々・読むお酒 陶穀『麹世界』

 ロボット愛継続中。「あしゅら男爵太平洋に散る!!」で、「Dr.ヘルにも伝えておいてもらおう、後悔するなとな」と「Dr.ヘルに伝えてください。あしゅらは、最後まで勇敢に戦ったと」のどちらを伝えればいいのか、悩みます。

 

 今回紹介する文章は、宋の陶穀さんの「清異録」酒漿門に載せられているそうな。『中華飲酒詩選』には他に『瓶盞病』、『禍泉』が載ってまして、三つ合わせて「瓶盞三病」。病というか、まあお酒に対する、恋の病です。

 

酒天虚無     酒天は虚無

酒地緜邈     酒地は緜邈(めんばく)

酒國安恬     酒國は安恬(あんてん)。

無君臣貴賤之拘  君臣貴賤之拘(かかわり)無く

無財利之圖    財利之圖(はかる)無く

無刑罰之避    刑罰之避(さくる)無し。

陶陶焉蕩蕩焉   陶陶焉たり、蕩蕩焉たり

其樂莫可得而量也 其樂み得て量る可き莫き也。

轉而入于飛蝶   轉じて飛蝶に入り

都則又ぼう騰浩渺 都て則ち又ぼう騰 浩渺(こうびょう)として

而不思覺也    思覺せざる也。

 

酒天はかぎりなく、

酒地はどこまでも、

お酒の国は、安らぎの国。

えらいえらくない関係ない、

もうけを気にする必要ない、

刑罰をよける必要ない。

ぽやんぽやーん、ぽよんぽよーん、

お酒の楽しみははかり知れない。

やがてぼくは蝶の群れの中。

ただもうぽやんぽよーん、そして、

ーお休みなさい。

 

 例によって私の訳は意訳ならぬ「いやーん、くー」ですので、うのみにしないでください。靑木正兒先生の訳のほうが何万倍もすばらしいのですが、先生の訳をそのまま載せるのはおこがましいような気がしまして。

 

 

参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房