「酒は百薬の長」という言葉は、一度は聞いたことはあると思うのです。一見お酒サイコー!な言葉に燃えますが、実はそうでない、というお話。
王莽さんという人は、劉邦さんが創った漢王朝を簒奪しちゃって、自分の王朝をたてちゃった困ったちゃん。その王朝が善政ならよかったのですけれど。
王莽さんは理想を追い求めすぎて、民のためではなく自分のために政治をしてしまったのですよ。
まあそれはおいといて、王莽さんは、塩とお酒と鉄を政府の専売にしようとして、もっともらしい理屈をつけたのです。
塩は食肴の将、酒は百薬の長、嘉会の好、鉄は田農の本
それ塩は料理の将、酒は百薬の長、めでたい席の喜び、鉄は農業の本。これらは必需品だけど手作りできないから、俺が管理してやるよ。なーんちゃってね。
お酒だけ効能がふたつあるのが、ちょっと嬉しい。
ちなみに、王莽さんの王朝「新」は、たった14年で儚く消えました。
参考にした本:『エピソードでわかる中国の名言100』(明治書院)