秀丸の酒とゲームとロボットの日々

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酒の日々・読むお酒 于武陵『勸酒』

 たまたま漫画『BARレモン・ハート』30巻を読んでいたら、たまたまこの詩(訳詩の方)が載っていたので、漢詩も読んでもらいたくてここに載せてみました。  

 

勸君金屈巵  君にむ 金屈巵

滿酌不須  満酌 する須ら不。

風多雨  花いて風雨多く

人生足別離  人生 別離に足つ。

 

コノサカヅキヲウケテクレ

ドウゾナミナミツガセテオクレ

ハナニアラシノタトヘモアルゾ

「サヨナラ」ダケガジンセイダ。

 

 漢詩を書いた于武陵さんは、晩唐の詩人さん。漢詩を訳した井伏鱒二さんは、『山椒魚』や『黒い雨』を書いた小説家。「山椒魚は悲しんだ」は、国語の教科書で読んだ記憶がうっすらと。

 せっかく咲いたのに嵐ばっかり、せっかく会ったのにもう別れ。せめて今は汲んであげるからさ、いっぱい酌んでも辞退しちゃだめよ。

 ちなみに「屈巵」は、把手がある杯です。

 

 余談ですが、今日職場で飲酒運転根絶のDVDを観たのですよ。お酒を飲んだら運転してはいけないのは当然なのですが、お酒をアルコール単位でしか捉えていないのは少し悲しい。

 

 参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房) 

 井伏鱒二さんの訳詩は、何を参考にしたのだろう?『厄除詩集』とやらに載っているらしいのですが。