秀丸の酒とゲームとロボットの日々

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酒の日々・読むお酒 白楽天『效陶潜體詩』其三

 中国の飲酒詩の詩人といえば、この人も外せません。白楽天さんは中唐の人。本名は白居易。「陶潜」は陶淵明さんで、陶淵明さんの詩を詠んで心情にしっくりきたので、その作風をまねて自分も詩を作ってみたよ!だそうです。

 

朝亦獨醉歌  朝も亦獨り醉うて歌ひ

暮亦獨醉睡  暮も亦獨り醉うて睡る。

未盡一壺酒  未だ一壺の酒を盡さず

已成三獨醉  已に三獨醉を成す。

勿嫌飮太少  飮の太だ少きを嫌ふ勿らん

且喜歡易致  且く喜ぶ歡の致し易きを。

一盃復兩盃  一盃復た兩盃

多不過三四  多くも三四を過ぎず。

便得心中適  便ち心中の適を得て

盡忘身外事  盡く身外の事を忘る。

更復強一盃  更に復た一盃を強ふれば

陶然遺萬累  陶然として萬累を遺る。

一飮一石者  一飮一石者は

徒以多爲貴  徒だ多きを以て貴しと爲す。

及其酩酊時  其の酩酊の時に及んでは

與我亦無異  我與亦た異る無し。

笑謝多飮者  笑うて謝す多飮者は

酒錢徒自費  酒錢徒だ自ら費す。

 

 朝から一人で飲んで、たいして飲んでないのにもう三度も酔っちゃったよ。

 大酒飲みは飲む量の多いのを自慢しているけど、酔い加減は私と変わらないじゃない。

 てことは、大酒飲みはお酒にお金使いすぎじゃーん!

 

 私のイメージは、陶淵明さんは「しみじみ」、李白さんは「大らか」、そして白楽天さんは「ほのぼの」。

 「ほのぼの」の域に達するまで、いろいろあったかもしれませんけど。

 

 話はころっと変わって、今日は選挙日でして、実は6月に引っ越してきたのに不在者投票の手続きをさぼったので、前に住んでた市町村まで行って投票してきましたよ。はーやれやれ。

 当選した人たちには、この言葉を心の片隅にでも置いておいてほしいなあ。

「一利を興すは、一害を除くに如かず。一事を生ずるは、一事を省するに如かず」

(一つの利益を得ようとするなら、一つの害悪をとりのぞいた方がよい。新しい仕事を一つふやすなら、古びて役に立たない仕事を、一つへらした方がよい)

 モンゴル帝国重臣、耶律楚材のことばです。

 

参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房

       『中国古典の言行録』(宮城谷昌光 文春文庫)