秀丸の酒とゲームとロボットの日々

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酒の日々・読むお酒 C.W.ニコル『ザ・ウイスキー・キャット』より

 今回紹介するのは、C.W.ニコルさんが書いた『ザ・ウイスキー・キャット』という本の一節。

 この本は、たまたま旅行先で入った本屋で見つけたのですよ。電子書籍もいいけれど、こういう偶然の出会いがあるから、本屋巡りはやめられないのだ。  

 

 スコットランドウイスキー蒸留所には、ウイスキーキャットという、ウイスキー原料の大麦をネズミから守るための猫にゃんがいらしゃいます。

 で、グレンゴァという蒸留所のウイスキーキャットの「ヌース」に、蒸留所を退職したジムじいさんが語ったことば。

 

「そうなんだよ、ヌース。だがな、あそこの鍵のかかった倉の中にゃ、
このおれの造ったウイスキーが何千樽もかこってある。
世界中にゃ極上のモルトウイスキーがびんで何百本もあるんだ!
それだけありゃ、たくさんのしあわせな人たちが、たくさんのパーティを開けるわい!」

  

 お酒は、いつでも待っているのです。私たちを幸せにするために。どんな時でも。

 

 超余談ですが、『春秋名臣列伝』という本を読んでまして、その中の晋の師曠という人が上司の平公さんに君主の心得を聞かれて言ったことにゃ、

「人君の道は、清浄無為にして、務めは博愛に在り、趨きは仁賢に在り。広く耳目を開き、以て万方を察し、流俗に固溺せず、左右に拘繫せられず、廓然として遠く見、踔然として独り立ち、屢しば省みて績を考え、以て臣下に臨む。これ人君の操なり」

 要するに、人の上に立つ者は、人々を照らす灯台になれってことだ。

 なんかこう、「経世済民」と一緒に、国会議事堂前にべたべた貼り付けたい気持ちでいっぱいですう。

 

参考にした本:『ザ・ウイスキー・キャット』(河出書房新社

       『春秋名臣列伝』(文春文庫)