秀丸の酒とゲームとロボットの日々

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酒の日々・読むお酒 陶淵明『雑詩』十二首 其一

 陶淵明さんは、晋の末期に生まれて宋代を生きた詩人。西暦でいうと、365年に生まれて427年にお亡くなりになりました。字は元亮。なのですが、宋代になってから潜を名とし、淵明を字としたのだそうな。

 こんな昔の人の思いを感じられる。ことばって、すてきだなあ。だから、ことばは大事にしてください。

 

人生無根蔕  人生 根蔕なく

瓢如陌上塵  瓢として陌上の塵の如し

分散随風転  分散し風に随いて転ず

此已常身非  此れ已に常身に非ず

落地成兄弟  地に落ちては兄弟と成る

何必骨肉親  何ぞ必ずしも骨肉の親のみならんや

得歓当作楽  歓を得なば当に楽しみを作すべく

斗酒聚比隣  斗酒もて比隣を聚めん

盛年不重来  盛年 重ねては来たらず

一日難再晨  一日 再び晨なり難し

及時当勉励  時に及んで当に勉励すべし

歳月不待人  歳月 人を待たず

 

人生は、根無し草。風に吹かれて、地に落ちて。

ぼくがこの家に生まれたのは運命のいたずら。親戚だからって仲良くしなきゃいけない訳じゃないよ。

楽しいことがあったら、見栄張ってないで喜ぼうよ。うまいお酒があるって言ってさ。

若い時は、そして一日に朝は二度来ない。

一生懸命、楽しもう。

歳月 人を待たず

 

 李白さんがひろびろーとした大地の中心でお酒の素晴らしさを叫ぶ感じなのだとすると、陶淵明さんは素敵な庭がある縁側で、飲み友達と世間話をする感じ?

 

参考にした本:『中華飲酒詩選』(筑摩書房